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レビュー:「その傷に触れて」


「その傷に触れて」は短編現代サウンドノベルです。内容的には15禁。

「その傷に触れて」は決して楽しいばかりの話ではありません。かなり重い話となっています。
ですが、多くの人に知ってほしい話です。

しかし15禁。だが筆者としては15歳に満たない人にも救いの手を差し伸べるべく、こういった話を知ってもらいたい。
ですから迷うのですが書きます。

以下、私見です。

15禁の枠を破るためには多くの壁があるのが事実だと思います。
普段ならこういったことは書かないのですが、筆者はたくさんの人にこの作者様の作品を知って欲しいので、今ぱっと思いついた改善案を書きたいと思います(作者様が見てくれているかどうかはわからないけれども)。

・一つは、肝となる作者様の一番言いたいであろう事、●●●●に関するエピソードを生々しい直接描写ではなく比喩を用いたり背景やシーンの雰囲気を使った間接描写に変えること。読者に想像させる工夫が作品の現実味を増すという相乗効果も狙えると思います。ズバリ言ってしまう、表現してしまうのではなく、表現したい気持ちをぐっとこらえてぼかすやり方です。匂わせるやり方です。ただしこの手法では本作品のカラーを根底から崩してしまうので諸刃の剣の手段となると思います。
・一つはキャラクターを物と考えること。記号化すること。こうすることで登場人物が減らせます。キャラクターの個性が強まります。この作品の場合で言えば、女友達と男友達を合わせて一人のキャラクターにできます(個人的には男の子を残し葛藤の話としたほうが受けは良いかと思います)。こうした上で、作者様の心情的には辛いかもしれませんがハッピーエンド(非現実)? を追加してプレイヤーの心的不安を緩和すること(これは分岐の作成という面倒な作業を伴い、また作風の変更という苦行を作者様に強いますが)です。
・一つは男の子と女の子を上手く使ってほのぼの感を初期に演出してあげること(これも作風の変更を作者様に強いるので厳しいかもしれません)。この手を使うと、前半と後半のギャップ効果が見込めます。主人公やヒロインを不幸にするのはかつての王道展開でした(最近は違います)が、それを時間経過とともに加速させる手法です。またプレイヤーの主人公に対する共感力も強まるかと思います。

以上のようなことを念頭に物語を組みなおしますと本作は現状よりも少しマイルドな作品になって、より手を差し伸べてあげるべき年代の方、年少の方にも届く強いメッセージ性を含む作品に生まれ変わるかと愚考します。

少しでも優しい世界を夢見る筆者の愚案でした。お目汚しすみません。

以下、プレイ雑感。
感情を前面に出した作品です。各キャラクターの動き、心理描写は巧みです。
タイトル画面に仕込まれた変化には大きな主人公の心境変化を感じます。短編ですが細かい配慮のされている作品だと思います。

容量
17,504 kb

制作ツール
LiveMaker

製作者
浦田一香

公開日
2017-09-02

URL
http://blog.livedoor.jp/urataitika/
https://www.freem.ne.jp/win/game/15641
https://twitter.com/urataitika

この「その傷に触れて」は、約15分ほどの作品です。

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